愛知県西三河地方・西尾市にて古民家の改修工事がスタートしました。
明治10年頃建築・築約145年の民家になります。現在は住宅の立ち並ぶ地域ですが、建築当時はいくつかの集落以外は、田園の広がる平地だったという事が昔の地図から読み取れます。
古民家と呼ばれる年代の家は、昭和期にベニヤや石膏ボードといった新建材を使用しリフォーム・増築等をされている事が多く、まずはそれらを解体撤去するところから工事が始まります。




古民家の解体をしていて常に思うことは、「元の姿のままだったら、産業廃棄物などほとんど出ない」その時代の背景や、流行りもあるのだろうが、いらない増築をし、地面に蓋をするようにコンクリートを打設し、施工時に早くて手間の掛からない新建材を使用する。最近の言葉で表すのであれば、『持続可能な建築をわざわざ持続不可能な建築にしている』ということです。
完全に昭和期リフォームの痕跡を消せるわけではないが、解体した廃木材は改修後設置する薪ストーブの燃料に、使えそうな木製建具は調整後.再利用、すべてでは無いが落とした土壁は新土と混ぜてまた荒壁に。
今回の改修にはベニヤ.石膏ボードといった新建材は不使用です。昭和のツケは令和で払う。『持続不可能な建築』は僕らの世代で終わりです。終わらせなければならない。次世代の大工に文句を言われるような事はするべきでは無いですね。



