屋根・土壁がひと段落したら、大工造作が本格的に進みます。
外壁は基本的に杉板張り・一部漆喰や土塗りの仕上げにしていきます。
この地域は西三河の平野部・沿岸部付近という事もあり、風速20mを超えることも多い、比較的風の強い地域です。漆喰などの塗り仕上げは、風圧で微弱ながら家に振動が発生したとき、ヒビ割れの原因となる事がある為、広い範囲では用いず、妻側の一部や小壁などのみに使用しました。
周辺の古い家を見渡しても、外部を塗りで仕上げている所はほぼ無く、その土地に合った建築が、ひと昔前までは当たり前だった事を改めて実感しました。




造作材は杉・桧がメインで、時々ケヤキなどの広葉樹も利用します。
下の写真は床張り時。石場の為、よく風が通り、心地の良い縁の下となっています。
一つ一つ手作りの為、細かい手作業が続きます、この時は関西の大学から、インターンで来ていた方も居たので、大工に混ざって仕事に参加していました。




大工造作が完了したら、左官仕上げ・建具・内装に移っていきます。
今回は色々な家の解体現場から、廃棄されてしまう予定だった古建具を調整した上で、再利用しています。古いものだと製作から50年以上経っている建具もあり、当時の職人の緻密さを感じます。現在のスクラップ&ビルドの建築より寿命が長いくらいです。
建具職人さんによってメンテナンス出来、長く使い続ける事ができるのも、木製建具の大きな利点の一つではないでしょうか。
古建具と新建具の色味コントラストも個人的に好きですね(^^)



