今まで張ってあったトタンを剥がし、新たに板張りや漆喰塗りに変えていきます。
母屋の西側から撮影した写真です。古いトタンをめくると荒壁が出てきました。
約75年前の建築当初からの荒壁ですが、まだまだ現役です。現代建築で多用されている石膏ボードやベニヤ板で形成されたものですと、とてもじゃないですが75年間ももちません。更に荒壁ですと、竹・藁縄・土で出来ていますので埋め立て廃棄する時も、環境に負荷を与えませんし、土は再利用する事も可能です。それに比べ、石膏ボードはただの産業廃棄物にしかなりません。
この面は、軒桁から下を目板張り、上を大壁・漆喰塗りとします。前面道路からよく見える箇所な上、近隣も同じ年代の住宅が多いので、景観を損なわないように配慮しました。一軒一軒の建築が「まち」をつくります。自分の敷地の中の事だけを考えた「敷地内主義」が一般化しているように感じますが、本来はそうではないと思います。家と家の繋がりは、人と人との繋がり、その事が現在薄れてしまった「結い」ではないでしょうか。
話が変わりますが、目板張りの解説です。18ミリ厚の杉板を3ミリ程隙間を空けて打ち止め、そのつなぎ目の上に押し縁を真鍮釘で固定します。なぜ隙間を空けるかといいますと、気候の変化等で木材が伸縮した時に無理なく対応する為です。少しだけ「ゆとり」をもたせるイメージです(^^)ちなみに杉板は、愛知県奥三河産の三河杉赤身・天然乾燥5m材です。
南側、軒下の漆喰塗りです。既存の荒壁に場慣らしの為に中塗りしてもらってます。くりあげ漆喰・のし漆喰もやり替えで綺麗にしてもらいました。
外まわりが、かなり見栄え良くなりました(*^^*)