名古屋の石場建て計画、模型作成・伏図書き(大工が墨付け時に使う設計図)が済んだらいよいよ墨付け手刻みのスタートです。
まずは足固めから掛かります。足固めとは石場建ての柱と柱を繋ぐ、重要な横架構造材の事。地面から50cmから60cm程の高さの位置に入ってきます。
現代構法の場合は基礎に立上がりがあり、その上に土台を敷くので「足固め」という部材は存在しません。足固めを入れる石場建て構法は、基礎立上がりが有る現代構法とは違い、足元の通気性が抜群に良いので、シロアリや腐朽の被害に遭いにくい事になります。そもそもシロアリ・腐朽の主原因は、「日光が当たらない」「風通しが悪い」「湿気が多い」等が挙げられます。現代構法ですと、土台の下に通気パッキンなどは入れますが通風は制限されますし、日光も入りません。ですから、防蟻材や防腐剤などによって木材を守るんですね。それに対し石場建ての場合は、通風を確保し日光も取り入れる事によって木材、そして家を守ります。伝統構法は自然の力・先人の知恵なんですね。それらの考え方・技術を絶やしてはなりません。
前置きが長くなりましたが、大工仕事の様子です。
足固め材は四寸×八寸(約120ミリ×240ミリ)桧・芯去り材・天然乾燥材
二年程前から昭典木材さんにストックしてもらっていた木材です。差鴨居でも十分使えそうな美しい桧材を出して頂きました…‼このような木材に墨を付け、刃物を入れて刻める事に感謝をしなければなりません。
伝統構法なので木組みが基本です。込栓・車知栓・長ほぞ等の仕口を用います。






次は地松・差鴨居の手刻み!楽しみです!