名古屋の石場建て九    大津壁

外部の大工造作がひと段落し、真壁部の左官塗りが始まりました。乾燥した荒壁の上に、大直し→中塗り→仕上げ塗りの工程で進めていきます。雨掛かりのあまりない箇所は「大津」、雨が掛かる箇所は「半田」で仕上げてもらいました。どちらも愛知県の豊田黄土を使用し、淡い黄色が出るような壁になっています。「大津」は土がベースなので雨に強くなく、「半田」は漆喰ベースなので比較的雨に強いです。

【中塗り材】

・中塗り土1:砂2~2.5

・藁スサ 適量 

・水   適量

【仕上げ材・大津】

・色土(豊田黄土.櫛通し後) 約4:消石灰 約1

・麻スサ 適量

・水   適量

上記の材料たちを状態を見ながら配合していきます。材料の下準備は若い衆の仕事みたいですが、左官屋さんは中々なり手が少ないようで職人さん達がやってみえていました。

大直しで荒壁の不陸を大体直した後、中塗りをしますが、中塗りが乾かないうちに大津仕上げにかかります。中塗りが乾いてしまうと、仕上げを塗った時に水分が中塗り土にもっていかれて急激に乾燥し、ひび割れの原因になるからです。左官屋さんの経験と知恵ですね。

左官塗りの材料たちを見ると、伝統工法の建築は自然と農業の副産物なんだなぁ、とつくづく思います。キャッチフレーズだけで終わらない、人と環境に配慮した建築をこれからも目指すべき!と、身が引き締まる思いです。

これで家の外観がだいたい出来てきました。足場の解体が楽しみです。

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