おそらく瓦屋根も建築当初(明治中期~後期)から手が入っていなかった為、雨漏りが発生し屋根が一部崩落している箇所もありました。今後何十年と持たせる為に屋根・外壁を健全に保つことは大切な事で、損傷部の垂木復旧・屋根地の張替え・瓦の葺き替えを行いました。
この家は有松の伝建地区に建つ屋敷の離れとして造られた建築で、材木自体はとても立派というわけではありませんでしたが、昔からある技術により、少なくとも今日までの100年は持つように造られていました。毎度、日本の木造建築技術には感服しながら仕事をさせていただいています。
大屋根は古材の垂木と新しい化粧野地のコントラストが良いですね、下屋は全面的に造り変えたので新材の空間となっています。厨子二階の木構造の為、全体に建物の背が低く、日本民家の風情ある佇まいが美しいです。
瓦は地元愛知三河の三州瓦で葺き替えです。三州瓦は日本国内のシェアトップであり、国内の年間瓦生産総数の約6割を占めています。
歴史は古く、矢作川流域や渥美半島で窯跡が見られ、発掘調査によると奈良時代から平安時代には、壺や皿と共に瓦が焼かれていた事が分かっているそうです。
室町時代に入ると築城が活発になり、三河国内の城の瓦が生産され、江戸時代には江戸で使う瓦を衣浦港から船で出荷するほど、瓦産業は盛んになっていったとの事です。
西三河には瓦を題材とする日本唯一の美術館『高浜市やきものの里 かわら美術館・図書館』がありますので、是非行ってみて下さい(^^)

